6才臼歯の虫歯予防と治療の方法

子供の永久歯の中で最初に生える「6歳臼歯」は、虫歯になりやすいため特別な注意が必要です。この歯は通常6歳頃に生え始め、奥深い位置にあるため、子供が自分の手で歯磨きすることが難しく、親の仕上げ磨きが必要です。6歳臼歯の虫歯予防と治療方法についてご説明します。

6歳臼歯とは何か？

6歳臼歯、または第一大臼歯は、子供の口内で最初に生える永久歯の一つです。この歯は大人の歯の中で最も早く生えるため、「6歳臼歯」と呼ばれています。特に、これらの歯は食べ物を噛み砕く主要な役割を果たすため、非常に重要です。

6歳臼歯はどうして大事？

食べ物を咬み砕いてすりつぶす

上下の歯の噛み合わせを決める

6歳臼歯はどうして虫歯になりやすいの？

6歳臼歯が虫歯になりやすい主な理由はいくつかあります。その理由を知ることは、6歳臼歯が虫歯にならないように予防するためにとても大切なことです。

1. 位置が奥深いところにある

6歳臼歯があるのは口の奥で、歯ブラシが届きにくい場所です。このため、十分な歯磨きがされず、食べ物のカスが残りやすく、歯垢がたまりやすくなります。

2. 生えたばかりの永久歯は柔らかい

永久歯としては最初に生えるため、その表面のエナメル質はまだ未成熟で完全に硬化しておらず、歯の表面に汚れがつきやすい状態です。酸による腐食を受けやすいので、虫歯になるリスクが高く、注意が必要です。

3. 甘い物を好む生活習慣

子供たちは、甘い飲食物を好む傾向がありますが、これが虫歯のリスクを高めます。さらに、まだ自分で正しい方法で歯磨きが出来ない場合が多く、歯磨きが不十分であることが虫歯を促進する原因になることがあります。

4. 子ども自身のセルフケアがまだ困難である

子供は自分の口内のすべての部分に上手に歯ブラシを当てることが出来ない場合があります。特に6歳臼歯のような新しく生えた歯のケアは、十分に行われていないことが多いです。虫歯になるのを避けるためには、親が定期的に仕上げ磨きを行い、子供の歯磨きを手伝ってあげましょう。

5. 永久歯の中では早く生えるために使用期間が長い

6歳臼歯は永久歯の中でも初めに生えて来る歯なので、永久歯の中で一番古い歯ということになります。そのため、他の永久歯よりも長く使うために痛みが激しくなり、虫歯にかかるリスクも高いといえます。

これらの理由により、6歳臼歯は特に虫歯に対する注意が必要です。虫歯予防のためには、正しい方法での歯磨きと定期的な歯科健診を受けることが大切です。

子供の虫歯予防の基本

子供の永久歯の虫歯予防は特に気を付けて行う必要があります。

日常の歯磨きの重要性

毎日の歯磨きは虫歯予防の最も基本的なステップです。特に、6歳臼歯は奥に位置しているため、子供自身の手でしっかりと磨くことが難しいことが多いです。そのため、汚れが残ったままになりやすく、虫歯になりやすいといえます。

親が仕上げ磨きを行って子供の磨けていない部分を磨いてあげることで、歯ブラシが届きにくい部分も清潔にすることができます。

正しい歯磨きの方法

• 歯ブラシの選び方・・小さなヘッドの子供用歯ブラシを選び、柔らかめのブラシを使用する。
• 磨き方・・小さな円を描くように力を抜いて優しく磨く。特に歯の裏側と歯と歯の間も忘れずに。
• 歯磨きの頻度・・毎食後、または朝と夜。夜の歯磨きを特にていねいに行うことで、眠っている間に虫歯が進行することを防げます。

食生活の見直し

子供は一般的に甘い食べ物が好きですが、砂糖の多い食べ物や飲み物は虫歯のリスクを高めます。健康的な食事は、歯の健康にも直接影響します。野菜の嫌いな子供であっても、料理の仕方を工夫して子供が野菜やフルーツを多く摂るようにし、お菓子の摂取は控えめにしましょう。

定期的な歯科健診の役割と子供の虫歯予防

定期的な歯科健診は、初期の虫歯を発見し、早期治療を行うために重要です。

子供の虫歯予防において「フッ素塗布」と「シーラント」は非常に効果的な方法です。これらは子供の歯を保護し、虫歯のリスクを大幅に減少させることができます。

フッ素塗布

フッ素塗布は、子供の歯に直接フッ素を塗ることにより、歯のエナメル質を強化し、酸によって溶かされるのを防ぐ処置です。フッ素は歯の再石灰化を促進し、エナメル質を硬くして虫歯の形成を防ぎます。

効果

• ・再石灰化を促進・・フッ素は歯のエナメル質に吸着し、細菌の代謝によって失われたミネラルの再石灰化を助けます。
• 酸への抵抗力を向上・・フッ素がエナメル質に組み込まれると、酸によって腐食がしにくくなります。
• 細菌の活動を抑制・・フッ素は、虫歯を引き起こす細菌の代謝を抑制し、酸の生成を減らす効果があります。

適用方法

通常、歯科医院で行われるフッ素塗布は、数か月ごとに行うのが一般的です。フッ化物歯面塗布剤にはゼリー状、液状、泡状の種類があります。この処置は短時間で完了します。

シーラント

シーラントは、歯の咬合面（かみ合わせる面）の細い溝にプラスチック製のコーティング材を塗布して硬化させる処置です。これにより、咬合面の溝がプラスチックで塞がれて、食べ物のカスが咬合面の溝に入って虫歯に繋がるのを防ぎます。

効果

• 物理的に歯の溝を塞ぐ・・シーラントは歯の溝に隙間なくフィットし、食べ物や細菌が歯の深部に入り込むのを防ぎます。
• 虫歯のリスクの低減・・歯の溝をプラスチックで埋めることで、虫歯が発生しやすい場所をなくし、虫歯のリスクを減らします。

適用方法

シーラントの塗布は、歯科医院で行われ、通常、6歳臼歯や他の永久歯の咬合面に対して行います。歯を清潔にして乾燥させた後、シーラント材を塗布し、光を当てて硬化させます。この処理には痛みはなく、効果は数年間持続します。もし知らない間にシーラントがはがれてしまっときは、再度処置を行います。

これらの処置により、子供の歯の健康を長期にわたって保護することが可能です。特に6歳臼歯のような虫歯になりやすい歯に対して、フッ素塗布とシーラントの併用は非常に有効です。

虫歯の治療方法の選択

初期段階の虫歯の治療方法

虫歯が初期段階であれば、フッ素治療やシーラントで進行を防ぐことができます。これにより、歯を削ることなく治療を行うことが可能です。

進行した虫歯の治療オプション

虫歯が進行している場合は、虫歯を削ってプラスチックを充填したり、詰め物や被せ物で治療する時もあります。虫歯が深くなっていて痛みが出ている場合は、神経を抜く根管治療が必要になることもあります。

子供の虫歯予防として親ができること

子供の虫歯予防では、まず子供に歯磨きを習慣化させて、楽しんでブラッシングが出来るようにすることが重要です。歯磨きタイマーを使用する、楽しい歯ブラシを選ぶ、一緒に磨くことで手本を見せるなど、子供のモチベーションを高めて楽しく行う工夫が大切です。

まとめ

6歳臼歯のケアは、子供の一生涯の口内健康に影響を与えるため、重要性が非常に高いものです。虫歯予防と早期治療により、子供の健康な歯を維持することが可能になりますので、親が積極的に子供の歯磨きに関与し、子供が自分自身のセルフケアに興味を持つようにしましょう。