歯と口の基礎知識

プラーク(歯垢)について教えて

プラーク(歯垢)について教えて

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

歯磨き剤のCMなどでよくプラークという言葉を耳にされると思います。プラークは歯垢のことですが、一体どういうものなのか、ご説明します。

プラークはどのようにして出来るの

歯の表面にはペリクルという糖タンパクの薄い膜があり、そこに虫歯の原因菌であるミュータンス菌などの細菌がくっつきます。

お口の中に入って来る食べ物や食べカスの中にショ糖があると、歯にへばりついた細菌はグリコカリックスというネバネバした物質を作り、その中で増殖していきます。これらの塊がプラークです。

虫歯菌などはこのネバネバした物質の中に棲みついており、唾液やうがい程度で洗い流すことは出来ません。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgのなかには、およそ300種類1億個もの細菌が存在しているといわれています。プラークの中には虫歯菌だけでなく歯周病を引き起こす菌などもいますので、プラークを放置すると虫歯や歯周病になるリスクが高まります。

プラークは歯のどの部分につきやすいの?

プラークが付着しやすいのは奥歯や、歯の間、歯ぐき(歯肉)との境目などです。しっかりと歯磨きして除去しましょう。

プラークのつきやすい場所

  • 歯と歯の間
  • 歯と歯茎の境目
  • 奥歯の噛み合わせ面
  • 歯と歯が重なっているところ
  • 詰め物・被せ物と歯の間の隙間
  • 抜けた歯の周囲

プラークはどのくらいの時間でできる?

プラークが出来るのは、食後8時間程度です。そのため、外出先などで食後に歯磨きが出来なかった場合は、帰宅してから歯磨きをしましょう。

夜に歯磨きせずに寝てしまうと、眠っている間にプラークで出来てしまいます。もし歯磨きを忘れて寝てしまった場合は、朝起きたらすぐに歯磨きをしましょう。

朝は忙しくて歯磨きの時間が十分にとれない場合は、プラークがつきやすい場所を重点的にブラッシングします。デンタルフロスを使えば、歯ブラシだけの場合の1.5倍のプラークが除去できます。(日歯周誌,1975)

プラークはどうやって取り除けばいいの?

プラークは歯の表面にくっついていますので、うがいでは取れません。プラークを取り除くための簡単な方法は歯磨きです。

きちんと歯磨きできているかな?

歯ブラシやデンタルフロスを使って除去していきましょう。

プラークチェッカーと呼ばれる染色液を使うと、歯のどの部分にプラークが付きやすいか確認できます。

歯と歯の間や、歯と歯茎の隙間など、歯ブラシでブラッシングしても取れない場所があります。

歯間ブラシやデンタルフロスなどのアイテムを使うと効果的にプラークを落とせますので、それらを使って1日1回は徹底的にプラークを除去しましょう。

どうしても取れないプラークは定期健診で除去する

歯と歯の間や、歯と歯茎の境目、歯周ポケットの中などにたまったプラークは、歯磨きではなかなか落としにくいものです。年に2~4回位の頻度で歯科医院の定期健診を受けていただくと、セルフケアで取り切れなかった歯垢も専用の器械を使って落とすことが出来ます。

同時に歯石もきれいに取れますし、虫歯や歯周病を初期の段階で見つけることが出来ますので、定期健診を受けていただくことをおすすめします。

プラークをそのままにしておくと歯石になってしまう

プラーク(歯垢)は食後8時間程度でできますが、そのまま放置すると24時間後には石灰化して硬い歯石になってしまいます。歯石は表面がザラザラしていて、その中も細菌でいっぱいになっています。

歯石になるとセルフケアでは除去することが出来ませんので、歯医者でクリーニングをして取る必要があります。定期健診の際に、最低限のクリーニングを行いますので、通常の歯石なら定期健診で落とせます。

まとめ

歯磨き

お口の中にプラークを残さないように毎日丁寧に歯磨きして、数か月に1度の定期健診を受けていただくことで、歯垢や歯石が歯に溜まるのを抑え、虫歯や歯周病の予防に繋がります。セルフケアでは、ぜひデンタルフロスの使い方をマスターして、歯をきれいに保ちましょう。

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