歯と口のトラブル

歯が痛む・しみる原因は何ですか?

歯が痛む・しみる原因は何ですか?

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

歯が痛い、しみる、など、歯に痛みが起こった時の原因についてご説明します。

歯の構造について

歯は人間が生活を送っていく上でとても重要な身体の一部です。毎日食事をしたり、家族や友達と楽しく会話したりできるのは、お口の健康あってこそです。

歯の表面は人体の中でもっとも硬い「エナメル質」という組織で覆われています。エナメル質の内部には、やわらかい「象牙質」という層があります。

歯の神経は「歯髄」と呼ばれ、神経と無数の毛細血管が通っており、歯にいろいろな栄養を運んでいます。

歯肉はいわゆる「歯ぐき」のことで、歯と歯槽骨を取り囲んで、細菌から歯を支える骨を守っています。

歯が痛む原因1 虫歯

虫歯菌が出す酸で歯が溶けていくのが虫歯です。歯の神経の近くまで虫歯の進行が及んでいる時、冷たいもの・熱いもの・甘いものを食べると歯が痛む・しみる感覚がします。

一般的に歯にそうした痛み・しみるなどの症状が出てくるのは、虫歯のステージがある程度進んでいる状態です。

虫歯のステージの進行

C0…歯の表面が少し濁っている初期虫歯のため、治療の必要はありません。
C1…エナメル質に穴があいた虫歯。痛み・しみる症状はまだありません。
C2…象牙質に達した虫歯。象牙質は神経に近いため、冷たいもので歯がしみる症状はこのステージに該当します。
C3…神経に達した虫歯。冷たいものを食べることに限らず、日常的に歯に痛みが生じます。
C4…歯の根っこ部分だけが残った虫歯。神経が死んでいるため、痛みは感じませんが、治療法として歯を抜く場合が多いです。

歯が痛む原因3 知覚過敏

虫歯になっているわけではないのに、冷たいものを飲食すると歯がしみたり痛んだりするときは、知覚過敏(象牙質知覚過敏相)の疑いがあります。

知覚過敏の時の痛みは、冷たい物の飲食の他、冷たい風が当たったり歯ブラシが触っただけで痛んだり、チョコレートのような甘いものを噛んだ時にしみる場合もあります。

知覚過敏の症状が出る原因としては、歯周病が進行して歯肉が下がり、歯茎に埋まっていた歯根が露出している場合や、歯ブラシで歯と歯茎の境目の部分を強く磨きすぎた場合等が考えられます。また、長年の歯ぎしりや食いしばりの為に歯が欠けたり、根元に近い部分の資質がはがれて起こることもあります。

象牙質が露出するとなぜ痛みが出るの?

神経は象牙質の更に内側の歯髄の中に存在します。象牙質が露出している場合は、神経が表面に出ているわけではないのにも関わらず、鋭い痛みが出るときがありますが、これは何故でしょうか?。

歯は歯冠と歯根に分けられ、歯冠は歯茎の上に出ている部分で、歯根は歯茎に埋まっていて見えない歯の根っこの部分のことです。

歯冠は厚さ1~2ミリ程度のエナメル質という硬い組織で覆われており、その内部に象牙質があります。象牙質は象牙細管という細い管上の組織の集まりで構成されており、象牙細管の内部は組織液で満たされています。

歯根は通常は歯茎の中に埋まっており、更に下の部分は骨の中に埋まっています。歯根の下部や象牙質は歯肉の中に隠れて見えないのですが、歯周病などで歯茎が下がってしまうと象牙質が外に露出して、目で見えるようになります。

象牙質の中の象牙細管の先端が露出すると、熱いものや冷たいものを飲食した時に温度の刺激が伝わり、神経に刺激を与えるため、しみたり痛んだりということが起こります。これを象牙質知覚過敏症といいます。

歯が痛い・しみる場合は原因に応じて応急処置や治療を行う

象牙知覚過敏症の場合にご自身で出来ることとしては、まず痛みを起こす刺激となる冷たいものや熱いものの飲食を極力避けるようにします。

そして歯磨き剤は研磨剤が含まれていないものを使うか、もしくは歯ブラシに何もつけずに歯磨きします。ブラッシングの際の力は軽くしましょう。

生活の中でこれらのことに気をつけていただくだけでも、象牙質知覚過敏症の再発や悪化はある程度防げる可能性があります。

歯科医院での処置としては、象牙質が露出している部分に薬剤を塗って直接的な刺激による症状をやわらげる、露出している象牙細管をレジンなどの材料でふたをして刺激を感じないようにするなどの処置が一般的です。

歯が痛む・しみる原因に関するQ&A

知覚過敏とは何ですか?

知覚過敏は、冷たいものや熱いものを飲食した時に歯がしみたり痛んだりする現象で、虫歯ではなく歯周病などが原因となります。

知覚過敏の原因は何ですか?

歯周病の進行により歯肉が下がって歯根が露出したり、強く磨いたり歯ぎしりや食いしばりにより象牙質がはがれたりすることが原因です。

象牙質が露出するとなぜ痛みが出るのですか?

象牙質が露出すると、象牙細管の先端が露出し、温度の刺激が神経に伝わり、痛みが出ます。

まとめ

歯のキャラクター

歯がしみたり痛んだりした時には、歯や歯ぐきに何かの問題が起こっていることを疑いましょう。虫歯や歯周病はひどくなると自然に治るということがないので、少しでも違和感を感じた場合は、歯科を受診しましょう。早めに治療することで症状の悪化を防ぐことが出来ます。

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