キシリトール入りのガムは虫歯予防に本当に効果ある？

クローバー歯科クリニック豊中本町院　歯科医師　金子 浩康

「キシリトールガムは虫歯に効果がありますか？」
「キシリトールをおやつとして食べてもいいですか？」

虫歯予防に効果があるといわれるキシリトールですが、どのような成分が虫歯を予防してくれるのか、その効果のほどはいか程か、についてご説明します。

キシリトールとは？

キシリトールは、糖アルコールとよばれる天然甘味料の一つで、白樺や樫などの樹木から抽出されるキシランヘミセルロースを原料として作られています。

ガムやタブレットなど、キシリトール入りの商品は色々販売されており、砂糖と比べてカロリーが低く安全であると同時に、虫歯予防の効果が注目されています。

キシリトールが虫歯予防に効果的といわれるわけ

虫歯は、虫歯菌がお口の中の糖を代謝するときに酸を出し、その酸によって歯が溶かされてしまう病気です。歯の表面を覆っているエナメル質はとても硬いものですが、酸には弱く、溶けて穴が開いてしまうのです。

キシリトールは虫歯菌に酸を作らせないため、虫歯になりにくく、更に虫歯菌を減らしてくれるので、虫歯予防に効果があります。同時に甘いキシリトールが口に入ると、唾液の分泌を促します。

唾液は虫歯菌が作り出した酸を中和させて、歯から溶け出したミネラルを再び歯に戻して歯の修復を助けます。これを再石灰化といいます。

このような優れた効果を発揮するキシリトールは、虫歯に対して万能だと思われるかもしれませんが、キシリトールは虫歯予防の一部にしかすぎず、歯みがきをおろそかにしても大丈夫というわけではありません。

そして、既に穴が開いてしまった虫歯はキシリトールのガムを噛んでも治りません。

キシリトールの働き

1. 歯垢の中のミュータンス菌を減少させて虫歯の原因となる酸を作らせない働き
2. 甘さにより唾液をより多く出させて唾液の作用により虫歯になりにくい口腔内環境をつくる効果

ただし、食べ過ぎるとお腹が緩くなることがあるので注意が必要です。

キシリトール入りのガムやタブレットの摂り方

キシリトールは1日3回毎食後すぐに摂ることで効果を発揮します。虫歯になりやすい方は、間食の後や寝る前にも摂ると良いでしょう。

具体的な摂取量としては、１日の合計量として5～10gを3～4回以上の回数に分けて摂取すると虫歯予防の効果が期待できます。

重要な点は、なるべくキシリトールを多く含んだガムやタブレットを選ぶということです。出来ればキシリトール100％のものが好ましいです。

歯科医院で販売されているキシリトール入りのガムやタブレットは、スーパーやドラッグストアで販売されているものよりもキシリトールの含有量が多いため、おすすめです。

キシリトールガムの虫歯予防への効果に関するQ&A

まとめ

虫歯予防には歯の表面に糖が付くのを減らすのが有効です。砂糖を含まないキシリトール入りのおやつは虫歯予防の効果が期待できますが、キシリトール入りとはいえ甘いものばかり食べる癖づけをしてしまうと、日常的についつい甘いものに手が伸びてしまうことにもなりかねません。

そのため、食事や間食は時間を決めてとるようにして、食後するにキシリトール入りのガムやタブレットを摂取するようにしましょう。