
歯周病と口臭の関係とはどんなものでしょうか。今日は詳しくご紹介いたします。
歯周病はどんな特徴の病気
歯周病か、歯槽膿漏という呼び方が一般的ではないでしょうか。歯周病とは、歯と歯茎の間に歯周ポケットが作られて歯周病菌が入ってそこを足掛かりに生じる病気です。歯周ポケットに細菌が多く住み着くため、鏡でお口を見た際に歯茎がぷくっと腫れると感じたり、歯磨きの際に出血を起こします。
- 口腔内がねばねばする
- お口の中が乾燥する
- 歯がぐらぐらする
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
このような特徴があります。
- 歯みがきが不十分で歯に歯垢(プラーク)が付着している
- 歯垢は粘着性であるため、しっかりと除去しなければ時間を追うごとに溜まる
- 酸素が少ないお口の状態になると嫌気性菌が多くなる
- 嫌気性菌が歯肉に侵入し、歯周組織や歯槽骨を破壊しようとする
- 身体が防御反応をし、お口に炎症が起きやすくなる
- 歯垢が歯石となり、セルフケアでは除去ができない
炎症による毒素が全身の血管に巡ると、様々な疾患を悪化させる原因になります。
- 糖尿病を患っている人はインスリンで血糖値のコントロールが上手くいかない
- 妊娠されている方は早産・低体重児のリスクが上がる
- 心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化を引き起こす
口臭の原因が歯周病?
人が多い場所に行ったり、会話をすると口臭が気になるということはありませんか。口臭の原因については、様々あります。
- 起床直後や空腹の生理的な口臭
- ニンニクを食べたりお酒を飲んだりタバコを吸ったための外因的な口臭
- 自分は臭うと思い込んでしまう(自臭症)心因的な口臭
- 虫歯や歯周病など口腔内の病気や全身疾患が原因で生じる病的な口臭
歯周病で口臭がする原因は、歯周病を起こす嫌気性菌が硫化水素やメチルメルカプタンと呼ばれる物質を生成します。硫化水素やメチルメルカプタンは揮発性硫黄化合物という種類で、硫黄の臭いを温泉などでかいだことがある方は多いでしょう。低濃度とはいえ、あのような硫黄化合物のガスがお口の中で発生し、強い口臭となってしまいます。
歯周病が原因であれば、口臭は重症化する前から自覚症状があります。重症化する前に歯科医院へ通院して、歯科医師の治療を受診すればまだ歯止めがききます。ただ放置してしまうと、口臭は更に強くなり、周囲の人に嫌がられてしまう可能性がありますし、歯周病がどんどん進行し、下記のような症状が起きます。
- 日常的に膿を出して更に強烈な臭いが発生する
- 歯を支える骨が溶けて健康な歯が抜けてしまう
- 歯周病の治療を終えてから義歯処置を行わなければならなくなる
口臭を抑えるためには
口臭を抑えるためのいくつかポイントや方法をご案内します。
- 食後の歯磨きは日常的に行う
- 就寝前のブラッシングはより丁寧に行う
- 唾液を多く分泌するために食事の際にきちんと噛む
- 歯ブラシ以外のデンタルケア用品(デンタルフロス・歯間ブラシ・タフトブラシ・舌用ブラシ)を使う
- 口呼吸ではなく鼻呼吸をする
- 外出先で気になる際はマウスウォッシュやスプレーを使用する
毎食後、フロス・歯間ブラシ・タフトブラシ・舌用ブラシを使用する必要はありません。就寝前の歯磨きで使用するのみでも大丈夫です。舌苔は口臭の一因と言われ、舌用ブラシで除去すれば口臭は減少します。マウスウォッシュや洗口液は一時的ではありますが、効果はあるのでおすすめです。
唾液には口腔内を自浄する役割があります。眠っている間は唾液の分泌が少ないため、お口の中が乾燥しやすく細菌が繁殖しやすくなります。そのため、起床時と睡眠時は歯磨きやうがいをしてお口の中の細菌を除去しましょう。
まとめ
歯医者さんへ定期通院を行っている方は、歯周病が見つかった場合でも初期に治療が可能です。口臭や膿が出る前に必要な治療が行えますし、歯質を強くするためのフッ素塗布をして虫歯の予防も行えます。歯の痛みや異常が出てから歯科へ通院するのではなく、予防歯科、歯の健康を保つために通院をすると、大切な歯を健康に長持ちさせることができます。