矯正歯科

前歯のねじれは治療すべき?

前歯のねじれは治療すべき?

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

前歯のねじれがお悩みだという方はおられます。今日は、前歯がねじれる原因や、どのような治療法があるかについて詳しくご紹介いたします。

前歯のねじれの原因

ねじれ歯、一般的にはそう呼びますが、専門的には捻転歯(ねんてんし)・ROTと略称で呼ばれます。上顎、下顎ともに奥歯と比べて前歯に生じることが多いです。歯の大きさに問題があるわけではなく、生える(萌出する)ねじれの角度にも個人差があります。ねじれについては、下記のような理由が挙げられます。

1.あごが小さい

近年、特に食生活の変化により、あごの発達が狭い方が多いです。そのため、永久歯は通常の位置より歯の表側、もしくは裏側に傾いて生えたり、生えるスペースを見つけだそうとねじれて生えることがあります。また、永久歯が生えてこない萌出不全を起こす可能性もあります。

2.過剰歯である

通常の人は、親知らずを含めると上下合わせて32本ですが、過剰歯の方はそれ以上の歯の本数があります。それにより、歯が本来生えるべき場所から生えられず、スペースを確保するためねじれて生えることがあります。

3.乳歯が重度の虫歯になった

乳歯の時に重度の虫歯になり、神経(歯髄)を抜いてしまう処置を行うと根管治療が必要となります。その際に、歯科医師は神経の入っていたスペースをきれいにしますが、万が一膿の袋が歯の根(歯根)の先に残ったままになると、次に生える永久歯は膿の部分を避けて、生えてくるため、捻転歯になるリスクがあります。

4.乳歯が抜けるのが遅かった

乳歯がなかなか抜けずにいると、歯の卵(歯胚)が歯茎の下で成長します。永久歯が成長しきって萌出しようとしても乳歯が残存しているため、生えるスペースがありません。そのため、歯の裏側から生えたり、捻転歯になることが多いです。

5.遺伝的な問題

歯の卵(歯胚)は、お母さんのおなかの中にいる胎児の時に形成されています。歯胚の段階でねじれた歯胚になる場合もあります。

1本だけの場合もあれば、翼状捻転歯という左右対称に複数本の歯がねじれている場合もあります。

前歯のねじれは矯正すべき?

前歯のねじれは治療をすべきかどうかという点について、ご説明します。

捻転歯を放置しておくと良くない理由

お口の中の歯磨きが難しい
清潔に保てず、細菌感染により、虫歯が起きる可能性がある

歯並びが悪くなる
捻転歯と隣接する歯の間に隙間が空いたり、隣接歯が倒れてきたりするため、歯並びの見た目にも影響を及ぼす

歯の機能的な問題
前歯は咀嚼の際に食べ物をちぎって細かくするという役割がある。
捻転歯は主に前歯部に多いですが噛む力を発揮できず、他の歯や奥歯が負担を強いられる

前歯の捻転歯は、矯正すべきと考えます。見た目の美しさという審美的な面以外に、歯の機能の改善ができます。歯医者さんで診断すると、歯のねじれだけではなく、不正咬合(叢生)や噛み合わせの悪さを診断されるケースがあります。

前歯のねじれの矯正方法を教えて

あごの成長が終わっていて永久歯が生え揃っている大人と、あごも体も成長途中の子供では、矯正治療法は異なります。ねじれが軽度か重度か、180度以上ねじれている歯かなどの、ねじれの程度によっても、部分矯正か全体矯正かなど、動かす歯の範囲は異なります。また、歯列矯正は保険適用外の自由診療であるため、治療期間や費用も歯科医院によって差があります。

大人の捻転歯の治療

マウスピース矯正
インビザラインと呼ばれる周囲から見えにくくご自身で取り外しが可能な矯正器具です。アタッチメントをつけてマウスピースを装着し、歯を動かす矯正治療です。

ワイヤーブラケット矯正
歯の表面にブラケットをつけ、ブラケットの中にワイヤーを通して、歯の動きを促進する矯正器具です。歯の表側に装着する表側矯正、ホワイトワイヤーで行うホワイトワイヤー矯正、歯の裏側にワイヤーを通す舌側矯正(裏側矯正)などの矯正治療です。

セラミック矯正
捻転歯を削り、ジルコニアセラミックやオールセラミックの被せ物(クラウン)を行う治療です。短期間で治療が終了するメリットがありますが、健康な歯を削ることや痛みが出た場合は神経治療を行わないといけないデメリットもあります。

子どもの捻転歯の治療

床矯正
混合歯列期で乳歯と永久歯が混じった状態のお子さんは、あごの成長を広げるために可撤式の矯正器具を使用します。抜歯をせずに永久歯を正しい位置に整えることができます。

前歯のねじれの治療に関するQ&A

前歯のねじれはどうやって治すの?

前歯のねじれの治療方法には、マウスピース矯正、ワイヤーブラケット矯正、セラミック矯正などがあります。

前歯のねじれの原因は何ですか?

前歯のねじれの原因は、あごの小ささ、過剰歯、乳歯の時の重度の虫歯や抜けが遅かったこと、遺伝的な問題などが考えられます。

まとめ

歯のキャラクター
前歯のねじれが軽度な場合、部分矯正で歯の1本のみを治療することになり、料金や期間も全体矯正よりはかかりません。口腔内に気になるお悩みがあれば、一度お気軽に無料カウンセリング(当院は予約制)をご利用ください。ドクターやスタッフに相談することで、具体的な治療計画や期間、価格などが提示されます。あなたにおすすめの治療法が見つかり、綺麗な歯並びを手に入れることができますので、一度ご来院ください。

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